頭痛は誰にでも起こりうる疾患。成人の3人に1人は経験があると言われています。当院を訪れる方にも訴えが多い疾患の一つです。しかし中には命に関わる危険な病気が隠れていることもあるので要注意!「よくあることだから」と簡単に考えないようにしましょう。
国際頭痛分類第2版(ICHD-Ⅱ)によると、頭痛は268種類に分けられています。(一番下を参照)当院では一次性頭痛に対応しております(★マーク)。ここではわかりやすくするため、大きく3つに分けて考えます。
⇒ 1)身近な頭痛 2)慢性的な頭痛 3)危ない頭痛
身近な頭痛
夜更かしや働き過ぎて生活習慣が乱れることによって起きる頭痛、風邪をひいた時、あるいは二日酔いによって起きる頭痛などです。これらは短時間休んだり、原因を取り除いたりすることで治まることが多いものです。
慢性的な頭痛
慢性的な頭痛として原因別に「緊張型頭痛」、「片頭痛」に分けられます。
緊張型頭痛
【症状・原因】 頸部や肩、頭の横にある筋肉が硬くなり引き起こされる頭痛です。
後頭部を中心に締め付けられるような痛みが出ます。
長時間パソコンを使う人や、同じ姿勢でいることが多い人に見られます。
ストレスも大きな原因です。また、枕の高さが合っていない場合にも起きますので、一度見直してみると良いでしょう。
【自分でできる対処法】 長時間の作業中は、なるべく小まめに休憩を取り、身体を伸ばしましょう。
首や肩を温める、あるいはストレッチやヨガなどで血行を良くすると効果的です。
もちろん鍼灸も良く効きます。
ストレスが原因でも起きますので、リラックスして自分の好きなことをしてみると良いかもしれませんね。
片頭痛
【症状・原因】脳の血管が原因で起きるのが片頭痛。
血管が拡張して三叉神経を刺激し、炎症物質がさらに血管を拡張することで発症します。
強く脈打つような痛みや吐き気を伴う事があり、かなりつらい症状が続きます。
生活習慣の乱れやホルモンのバランス、大きな音や光等の強い刺激も原因になります。
とても治りにくい頭痛ですので、まずは原因を探るために片頭痛が起きた日にちや時間帯などを詳しく書き留めておきましょう。
【自分でできる対処法】
①生活習慣の乱れは大きな原因です。
寝不足や休みの日に寝すぎるのは要注意。
毎日同じくらいの時間に寝起きしましょう。
規則正しい生活が基本です。
②女性ホルモンの分泌バランスが影響することもあります。
生理中、またはその前後に片頭痛が起きる人は「エストロゲン」の分泌量と関係がある可能性が高いと考えられます。
この場合は安易に市販薬を服用せず、まずは婦人科を受診して相談しましょう。
③食べ物が原因になることもあります。
発酵食品のチーズやヨーグルト、ポリフェノールを含む赤ワイン、チョコレートも原因になることがあります。
頭痛が起きる前に食べたものを思い出し、思い当たるものはなるべく避けましょう。
④大きな音やまぶしい光、鼻を突くような臭いも片頭痛の原因になります。
人込みやにぎやかな場所を避け、静かなところでくつろいでみましょう。
⑤空腹も良くありません。
血糖値が下がると片頭痛を起こしやすいと言われています。
ダイエット中の人や朝ごはんを食べない人が片頭痛になった場合、しっかりと食事をとることが頭痛の予防になります。
危ない頭痛(国際頭痛分類の第2部・第3部)
過去に経験したことがないような激しい痛みが突然起きた時は気を付けてください。
嘔吐や痙攣が伴う場合はくも膜下出血、ろれつが回らない、手足がしびれるなどの症状が伴う場合は脳内出血などが疑われ一刻を争います。すぐに助けを求め、救急車を呼んでもらってください。
他にも高熱や吐き気を伴う髄膜炎、視力低下や運動麻痺を起すこともある脳腫瘍、転倒などにより頭を強く打った後などに起きる慢性硬膜下血腫などにも注意してください。
国際頭痛分類第2版(ICHD-Ⅱ)
第1部:一次性頭痛
1.片頭痛 ★
2.緊張型頭痛(TTH) ★
3.群発頭痛および他の三叉神経痛・自律神経性頭痛
4.その他の一次性頭痛 ★
第2部:二次性頭痛
5.頭部外傷による頭痛
6.頭頸部血管障害による頭痛
7.非血管性頭蓋内疾患による頭痛
8.物質またはその離脱による頭痛
9.感染による頭痛
10.ホメオスターシスの障害による頭痛
11.頭蓋骨、頸、眼、耳、鼻、副鼻腔、歯、口あるいはその他の顔面・頭蓋の構成組織の障害に起因する頭痛あるいは顔面痛
12.精神疾患による頭痛
第3部:頭部神経痛、中枢性・一次性顔面痛およびその他の頭痛
13.頭部神経痛および中枢性顔面痛
14.その他の頭痛、頭部神経痛、中枢性あるいは原発性顔面痛
当院の頭痛に対する施術はこちらをご覧ください ⇒ 頭痛に対する鍼灸治療
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